プロジェクト収支管理とは?
エクセルで行う課題や取り組むべきことを紹介

広告や制作に携わる企業様では「プロジェクト収支管理」に課題を感じていることはないでしょうか?
弊社に寄せられるお問い合わせの中に、次のようなプロジェクト収支管理についてのお悩みを多くいただいております。

お悩み

プロジェクトごとの収支管理ができていない

プロジェクトが完了しないと収益を把握することができない

リアルタイム収支の把握に手間がかかる

本コラムでは、プロジェクトベースでお仕事をされている企業様からよくいただく上記のお悩みをベースに、プロジェクト収支管理の基礎から取り組むべきことを解説してまいります。

目次
1.プロジェクト収支管理とは
2.プロジェクト収支管理の重要性
3.プロジェクト収支管理のよくあるお悩みと問題点
4.エクセルで行うプロジェクト収支管理の課題
5.プロジェクト収支管理を行うために
6.プロジェクト収支管理システムの選び方
7.まとめ

1.プロジェクト収支管理とは

プロジェクト収支管理とは

プロジェクト収支管理とは、プロジェクトごとの売上や原価、経費などをまとめて収支を管理することです。
プロジェクト収支管理の基本的な活動は大きく分けて3つに分類されます。

まず1つ目は「プロジェクト収支計画」です。
プロジェクト収支計画はプロジェクト全体の予算を組むだけではなく、マイルストーンごとに発生する収支を計画し、シーン別に収支を細かく管理します。

2つ目は「プロジェクト収支維持」です。
プロジェクト収支計画を立てても計画通りに進むケースは稀です。基準から逸脱した収支を基準となる計画値にできる限り近づけるように対策します。

3つ目は「プロジェクト収支改善」です。
プロジェクト収支維持だけでなく、収支改善にも取り組むことで、赤字プロジェクトは少なくなり、高収益を生むプロジェクトとなります。
具体的には、予算計画の基準値よりも支出のバランスを減らすことを取り組むことが重要となってきます。

利益を出すためには原価や経費、人件費などの管理を行うことがとても重要です。
しかし、広告業や制作、イベント、SP関連などプロジェクトベースのお仕事ですと、1つの売上に複数の原価が紐づくことも多々あり、それらをどう管理していくのかが課題にあるのです。

2.プロジェクト収支管理の重要性

プロジェクト収支管理の重要性

例えばプロジェクトに予期せぬ事態が起こった場合、プロジェクト収支管理ができていれば利益率を確認しながら対処ができますが、収支管理が不十分であれば無駄なコストを増やし、利益率の低下、最悪の場合は赤字に転じてしまうこともあります。
プロジェクト収支管理を行うと冷静な判断ができ、赤字案件防止や適切な人員配置を行うことができるでしょう。
結果、コスト削減。業績の向上に繋がるのです。

3.プロジェクト収支管理のよくあるお悩みと問題点

プロジェクト収支管理のよくあるお悩みと問題点

冒頭でご紹介した弊社にお問い合わせでいただくお悩みをベースに、プロジェクト収支管理ができない理由を解説します。

お悩み

案件ごとの収支管理ができていない

案件が完了しないと収益を把握することができない

リアルタイム収支の把握に手間がかかる

上記のようなプロジェクト収支管理でお悩みを抱える企業様で多く行われている管理方法と、その管理方法から起こる問題点を説明します。
プロジェクト収支管理に課題を抱える企業様は照らし合わせてご覧くださいませ。

<管理方法>
① 売上と原価を別々に管理している
② プロジェクトベースのお仕事にマッチしていないシステムを使用している
③ Excelで全て管理している

<問題点>
①売上と原価を別々に管理している
例えば、売上はシステム、仕入れ原価はExcelというように売上と原価をバラバラで管理をしているケースです。
1つのプロジェクトの情報がまとまっていないため、プロジェクトの収支を把握したい時に集計に手間がかかり、リアルタイムでの収支を把握することができません。
そのため、プロジェクト完了後に収支を見て赤字案件だった、、、という可能性も大いにあり得るのです。

②プロジェクトベースのお仕事にマッチしていないシステムを使用している
使用しているシステムがプロジェクトベースのお仕事にマッチしていないケースです。
自社に合わないシステムを使用しているので、合わない部分をExcelなどで別管理をする必要があり、一元管理ができていないということがよくあります。
同じ情報を様々なシステムに入力を行う二重入力の発生により、入力ミスや漏れの発生が起きてしまいます。
また、各部門が正しく入力せずシステムが機能していないという課題を抱える企業様も少なくありません。

③エクセルで全て管理している
最後に、システムは導入しておらず収支管理をエクセルで行っているケースです。
こちらについては、次の段落で詳しく解説します。

4.エクセルで行うプロジェクト収支管理の課題

自由度の高いエクセル管理は便利ではあるものの、取引の量が増えれば増えるほど管理が難しくなります。ここではエクセルでのプロジェクト収支管理のよくある課題をご紹介します。

●エクセルが重くなる
エクセルでプロジェクト収支管理を行っていると、プロジェクト数の増加に伴いシートが大量に溜まるため、動作が重くなってしまいます。そのため、収支管理を行おうとしてもエクセルファイルが重すぎて開くのに時間がかかり作業効率が悪くなったり、ファイルが破損してしまうことも考えられます。

●集計が煩雑になる
エクセルでの収支管理ではプロジェクト全体の収支は把握できますが、どの売上に対し原価が紐づいているのかが不明で収支管理がずぼらになってしまいます。また、最悪の場合は不正な取引が発生してしまうことも考えられるのです。

●人的ミスが発生しやすい
エクセルでの収支管理では毎回手で入力を行うため、過去のデータを誤って消してしまうなどの人的ミスも考えられます。そのため、ミスが発生しやすく、また気付きにくいため、最終的な数字を確認したタイミングで発覚するなど、問題が大きくなる可能性もあります。

●リアルタイムで情報を更新できない
プロジェクトの担当者ごとにエクセルを共有し更新を行っている場合、最新の情報を全社に共有することが難しいことがあります。
また、他の担当者が誤って更新・削除してしまったり、同時に更新をかけたためにどちらかが反映されなかったなど、ファイル運用によるミスも起こりやすいです。

5.プロジェクト収支管理を行うために

プロジェクト収支管理を行うために

プロジェクト収支管理を適切に行うためには、どのようなことに取り組んだらいいのでしょうか。
それは、まず現状を把握することです。
現在システムは導入しているけれど、プロジェクト収支管理がうまくいっていない場合は、自社の業種とシステムが合っていないのかもしれません。
どのような管理項目が必要なのか整理し、改善していく必要があります。

また、Excelで管理をしている場合は、システムの導入を検討することも1つでしょう。
その際、自社の業種とマッチしたシステムを選定することで、データの分散を防ぎ効率的に管理を行うことができるのです。

6.プロジェクト収支管理システムの選び方

プロジェクト収支管理システムを導入は業務の正確性や効率を改善する、とても便利なものです。しかし、自社に合わないものを導入してしまうと、後々のトラブルになる可能性もあります。そこで、プロジェクト収支管理システムの選び方をご紹介します。

●機能で選ぶ
プロジェクト収支管理システムは様々な種類があるため、使える機能や特徴が異なります。案件数や利用人数、データ連携など求める要件によって変わりますので、まずは自社の要件をしっかりと洗い出して、マッチした機能を備えた製品を選びましょう。

●提供形態
プロジェクト収支管理システムにはオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。
オンプレミス型は柔軟なカスタマイズや既存システムへの連携が可能ではありますが、自社サーバーの準備や社内でセキュリティ対策を行うなどインフラの構築が必要で、初期費用が高額になることや導入に要する期間がかかる可能性があります。
また、自社サーバーから繋ぐので、社外からのアクセスに制限があります。営業が外出先から操作ができなかったり、テレワークに対応できない等、日常的な運用に課題が発生するリスクがあります。

クラウド型は提供ベンダーが運営をしているので、自社サーバーの準備やセキュリティ対策などのインフラ構築の必要はありません。インターネットに繋がっていれば操作ができるので、外出先やテレワークにも対応ができ、柔軟な働き方を実現します。クラウド型は初期費用をかなり抑えて導入ができるので、導入ハードルが低くく、最短で運用をスタートできます。
提供ベンダーでパッケージ製品を提供している場合、自社の運用に合うかの確認がとても大切です。同じ業種の導入事例があるのか、どうしても必要な機能があればカスタマイズが可能かを確認する必要があるでしょう。

●コスト
コストは前述の通り、オンプレミス型とクラウド型で大きく変わります。また、クラウド型の場合は必要な機能や利用人数に応じて費用が変わることもあるため、ミニマムな導入もできる点が優れています。

>>ADMANの売上/原価管理機能の詳細はこちら



7.まとめ

プロジェクト収支管理を適正に行うためには、現状の把握が重要です。
弊社が長年培ったノウハウをベースに、現状の把握や販売管理のシステム選定に役立つチェックシートをご用意しております。
プロジェクトベースの収支管理に課題を感じている企業様はぜひご参考にしてください。
こちらよりダウンロードができます。



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