Excelで予算管理をするには?
課題やポイントをご紹介

予算管理を行う方法は大きく2種類あります。それは、Excel管理とシステムやツールでの管理です。本コラムではExcelで予算管理を行う方法や課題を紹介します。
予算管理は経営管理を行う上で重要な管理です。自社に合う管理方法を選択しましょう。

目次
1.予算管理とは
2.予算管理に必要な4つの予算
3.Excelで予算管理を行う方法
4.Excelで予算管理を行う際の課題
5.販売管理システムの予算管理
6.まとめ

1. 予算管理とは

予算管理とは、作成した予算を適切に管理していくことです。企業は利益を上げることが目標の1つです。そのため、「期」が始まるタイミングで予算を作成し、予算達成に向けて日々の営業活動が行われます。
この作成された予算と実績を比較し、予算達成ができるように適切に管理を行うことが予算管理です。

2. 予算管理に必要な4つの予算

売上予算
利益を創出するためには、まず「収入」が必要です。その収入は企業でいえば「売上」にあたります。売上は市場や情勢に左右されます。売上予算は世の中の動向を見て期中に修正が入ることもあります。

原価予算
サービスや商品に必要な原価の予算です。仕入費用や原材料、稼働原価が該当します。原価を多くかけることによって素晴らしい広告を作成できるかもしれませんが、赤字になってしまう危険性も高まります。利益創出のため原価の数値目標を設定することも必要です。
原価も売上と同様に市場の影響を受けるので、動向を見る必要があります。

経費予算
経費予算は、オフィスの賃料や光熱費、広告宣伝費が該当します。これらも企業活動に必要な経費なため、どれくらいの支出があるのか予算管理が必要です。

利益予算
利益予算は冬季中に達成したい利益の目標です。利益は、「売上-原価」で算出されます。売上予算は未達でも原価を抑えることで利益予算を達成できることもあります。

企業は利益を創出することが1つの目標です。利益予算を達成するためにも売上予算、原価予算、経費予算を適切に管理することが重要なのです。

3. Excelで予算管理を行う方法

予算管理の方法は大きく2種類あります。Excelで管理を行う方法とシステムやツールを導入し管理を行う方法です。
ここではExcelで予算管理を行う方法やポイントをご紹介します。

予算を立てる
まず、予算管理に必要なのは予算編成です。予算編成には主に2パターンあります。
①トップダウン方式
会社が方針や利益目標を決め、部門や個人に予算を割り当てる。

②ボトムアップ方式
部門ごと担当ごとに予算を決めて、それらを統合し会社の方針や利益目標を決める。

トップダウン方式は予算編成が迅速にできる反面、現場の声は反映されにくいでしょう。反対にボトムアップ方式では現場の状況に適した予算を立てられますが、会社全体の予算編成に時間が必要です。
スタートアップなどの比較的小規模の会社ではトップダウンが採用され、社内事業が多い大規模企業ではボトムアップが採用されることが多いです。

予算管理の方法
予算管理は予算と実績の比較を行う予実管理が重要です。期首に立てた予算と各月の実績とを比較し、乖離が大きければ施策の修正を行っていきます。

Excelで予実管理を行うにはあらかじめテンプレートを用意します。インターネット上に上がっているテンプレートを活用してもいいでしょう。Excelは汎用性が高いので、自社の規模や管理したい内容に沿って作成していくこともできます。ただし、毎年異なるテンプレートを使用してしまうと、年単位の比較がわかりにくくなるので、ある程度のルールを決めて作成していくことが長い目で見た時に良いでしょう。

Excelの予算管理例

【縦軸】A列:売上などの予算管理する項目
B列:予算、実績、予算差異なども必要項目

【横軸】各月の数値を入力
四半期などの括りで合計金額の項目があると◎

定期的な予実管理
予実管理は各月や四半期で行い、予算と実績の差異を確認します。大きな乖離があれば原因を分析し、今後の対策を講じます。差異に気づかず営業活動を続けてしまえば、売上の低迷や原価の上昇など赤字のリスクが高まります。また、好調な商品やサービス、部署があることにも気づかないので、利益を得るチャンスを逃してしまうかもしれません。
これらの分析に必要なのは、正しい情報を得ることです。正しい情報を収集するためには毎月の月次決算が重要です。月次決算で月の売上・原価・利益を確定し、それらを分析へと繋げましょう。

予算修正
期首に想定した予算と実績に大きな差異があった場合は、予算の修正を検討しましょう。売上予算や原価予算は市場や情勢の影響を受けやすく、期首に想定した予算では達成が困難になることもあります。予算の再設定での注意点は、容易に達成できる予算ではなく、現実的に達成可能である予算に修正することです。

4. Excelで予算管理を行う際の課題

Excelはあらかじめパソコンに搭載されている機能なので、好きなタイミングで費用をかけずに開始できます。汎用性の高いことも大きなメリットでしょう。しかし、Excelで予算管理を行う場合、課題も生じます。あらかじめ課題を念頭に置き、Excel管理を行うか検討をしましょう。

●集計作業に手間がかかる
各部門からの集計に工数がかかり、リアルタイムでの情報を得にくいです。

●誤入力や転記ミスなどのヒューマンエラー
Excelへの転記や入力箇所の誤りなど、ヒューマンエラーが発生しやすいです。誤った情報では正しい経営戦略を練ることが難しくなります。

●組織の変更への対応
社内で部署異動や組織変更、セグメントの変更があった場合、それらの修正や関数の変更も必要です。Excelを管理できる社員が必ず必要となります。

●膨大なファイル管理
複数ファイルの管理やデータ量の増加で破損のリスクが上がります。

5. 販売管理システムの予算管理

Excel管理の他にシステムやツールを導入して予算管理を行う方法もあります。ここでは販売管理システムで予算管理のメリットとデメリットをご紹介します。

販売管理システムの予算管理のメリット
〇集計作業の工数削減
販売管理システムでは登録された売上や原価のデータが業績に反映がされます。つまり、各部署からの集計作業の時間を削減できるのです。よりリアルタイムの情報を経営層は確認できます。

〇ヒューマンエラーを回避
先程と同様に、システム上で確定された情報が反映されるので。転記ミスや入力箇所の誤りなどのヒューマンエラーを回避できます。正しい情報管理にはシステムが最適でしょう。

〇データ管理
Excelとは違い、膨大なデータを管理できます。データの蓄積や前年対比の管理にも販売管理システム心強いでしょう。

販売管理システムの予算管理のデメリット
●導入までの期間や費用が必要
販売管理システムの導入には、選定から導入までの作業工数や時間が必要です。また、費用も発生するので導入までのハードルが高くなりがちです。

●自由度が下がる
予算管理に必要な業績管理機能を備えている販売管理システムもありますが、自社に必要な項目がない可能性もあります。必要に応じて機能を追加することもあるかもしれません。

●社内周知
販売管理システムは経理や経営層部門だけではなく、営業や制作部も使用できます。いつまでに入力を終えるといった社内ルールの策定や周知が必要です。

Excel管理はコストもかからず汎用性が高いので始めやすいでしょう。案件や人員が増えた場合、管理が行き届かなくなる可能性があるので、販売管理システムを導入される企業様も多いです。
自社の管理に合う予算管理の方法を選択しましょう。

6. まとめ

予算管理は経営管理に必要な管理です。利益を創出するためにもリアルタイムな予算管理を求める企業様も多いのではないでしょうか。
弊社がご提供している販売管理システムADMANでは、予算と実績の比較を容易にできるフォーキャスト機能を備えています。売上や原価の予算管理ができるので、経営を可視化するにも最適です。
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もし、予算管理に課題を感じておられましたらお気軽にお問い合わせください。
お待ちしております。

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